フルフィルメントサービスを利用するメリット・デメリット

ロジスティクス

Writer - Tsuji

皆さんはEC運営をする際に物流業務は自社と外部、どちらで運用しておりますか?

ECを運用していく上で商品の保管や梱包、発送といった物流は必要不可欠です。
しかし、自社で発送を行う方が良いのか、フルフィルメントを利用する方が良いのか分からないという方もいると思います。

今回フルフィルメントサービスのメリットとデメリットについて説明致します。

 

フルフィルメントとは

フルフィルメントとはEC業務の中でも注文を受けてから商品を発送し、お客様の手元に届くまでの一連の業務のことを指しています。

物販を行っていく以上は売上が上がることは物量が増えることと直結しているためEC運営時にストアの方ばかりに意識を向けていると売上の上昇にフルフィルメントが耐え切れず問題が発生する可能性が高くなります。

その対策方法の一つとしてAmazonや楽天、Yahooショッピングも行っているフルフィルメントサービスの利用があります。
ただし、正しく利用しないと知らない間に問題が発生してしまうこともあるため、どのようなメリットとデメリットがあるのかについて簡単に説明します。

 

フルフィルメントサービスのメリット

1.他業務に注力できる

先ほどもお伝えした通り売上が上がるにつれて物量も上がっていきます。
本来であれば事業拡大のために新商品の仕入れやストアの見直しを行いたいところではありますが、リソースや人員を変えずに運営を続けていると増加していく物流業務に追われ本来行いたい業務をいつまでも手が付けられないという問題が出てきます。

そういった点をフルフィルメントサービスを利用すれば物流にかけていた多くのリソースや人員を他業務へ分配することが可能となることは大きなメリットといえます。

2.高い物流品質を保つことが出来る

フルフィルメントサービスを請け負っている業者は物流のプロなので商品の適切な保管方法や梱包が可能となっており高い物流品質を維持し続けることができます。

例えば食品やガスを利用した商品は夏場の保管については細心の注意を払う必要がありますし冷凍食品を扱う場合は冷凍コンテナ等の多額の先行投資が必要となります。

上記のように商品毎の特性によって保管方法を変えた場合、先行投資額と共に維持費も多額になっていきます。
そういった点でフルフィルメントサービスは設備が整っていますので品質や配送についてのクレームや低評価を防ぐことが出来ます。
ただし、委託先によっては保管設備が整っていない業者もいるため契約前の事前確認は必ず行いましょう。

3.コストを抑えることが出来る

EC事業の拡大をするためにはストア運営だけではなくフルフィルメントに関わる業務フローの見直し、改善や人員の強化が必須となります。
また、事業規模を拡大して行くと同時に物流業務の負担も増えるためその分の人員を割く必要が出てきます。

自社で全てを賄いきる事が出来れば問題はありませんがコストにもリソースにも限界があります。

そこでフルフィルメントサービスを利用することによって本来拡大と共に増えていく様々な費用を抑えることが出来ます。
また、上記のような費用だけでなく送料を自社負担で販売している方はフルフィルメントサービスを利用した方が送料も削減することが可能な場合が多いです。

フルフィルメントサービスの利用を迷っている方は一度物流業務に使用している時間や人件費、光熱費等のトータルコストを算出してみると委託した方がコストを抑えることが出来るかもしれません。

 

フルフィルメントサービスのデメリット

1.保管費や作業費の発生

フルフィルメントサービスは保管費はもちろんのこと、1注文あたりの発送にも作業費が発生してきます。
その為、自社発送のスキームが整っている場合自社で行った方が1注文あたりの作業費が安くなる場合もあります。

ですが、1商品あたりで保管費が発生するため長く保管し続けると無駄な保管料が発生してしまうため、商品によっては保管費を引いた場合利益がなくなってしまうことがあるため要注意となっています。

ただし、こういった問題は事前に納品予定個数を何日間で売り切ることが出来るかを計算し正しく運用すれば蓋を開ければ赤字でした、といったことも防ぐことが出来ます。

2.リアルタイムでの物流業務状況の把握ができない

自社で物流を行っている場合は受注した商品の状況把握や急なお客様からのキャンセルにも対応することが出来ます。
ですが、委託した場合はこういった臨機応変な対応は難しくなるでしょう。
しかし、このような点については事前に業務フローを整備したり日ごろから密に連携を取っていればある程度対応することは可能です。

業務委託する際はタイムラグやトラブルなどの予測できるアクシデントには対策を練っておくことが肝心です。

3.物流関連業務のノウハウが蓄積できない

自社で物流業務を行う場合は業務の詳細なフローなどのノウハウは自然と蓄積されますが外部に委託した場合それらのノウハウは一切蓄積されることはありません。

ノウハウが手に入らないことは確かにデメリットではありますが、その分多くのリソースを確保することができ、物流業務の課題を一切抱えることなく事業拡大に専念できることが出来ます。

将来的にフルフィルメントサービスを事業として行う場合はこのようなノウハウは必須となりますが物流のノウハウを手放し、ECストアのより一層詳しいノウハウを得ることもEC事業を成功させるために取ることが出来る手段の一つとして選択肢に入れておくと良いでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

このようにフルフィルメントサービスを利用する際にはメリットが大きい分正しく利用しないとデメリットの方が大きくなってしまいます。
ですが、正しく利用すれば間違いなく事業拡大に大きな力になるサービスでもあります。

少しでもフルフィルメントサービスを検討の際にお力になれたのであれば幸いです。